株式投資に興味を持つ方なら一度は耳にしたことがある「売り禁」という言葉。
しかしその仕組みやリスクを正しく理解している方は意外と少ないかもしれません。
本記事では「売り禁(=貸借取引の申込停止措置)」の意味や影響、空売りとの関係、そして「売り禁に買いなし」という格言の真意まで、投資判断に役立つ知識を徹底解説します。
売り禁とは?|基本の確認
売り禁とは正式には「貸借取引の申込停止措置」のことで、
という非常に強い取引制限がかけられる状態です。
この措置は、空売りが過度に行われて「貸株の調達が困難」になった場合に、証券金融会社が投資家の売買を規制することで発動されます。
株の空売りとは?
空売りとは、手元に株を保有せず、証券会社から借りて売る取引手法です。 信用取引口座を開設することで利用でき、株価が下がったタイミングで買い戻せば利益になります。
空売りのメリット
- 株価下落でも利益が狙える
- つなぎ売り(クロス取引)でリスクヘッジが可能
空売りのリスク
- 株価上昇時の損失は青天井
- 信用期限(制度6ヶ月/一般は証券会社ごと)
- 逆日歩や貸株料などコスト負担あり
株の売りには、買いは家まで、売りは命まで という格言があります。
これは信用売りによる損失が青天井になるリスクを警告するものです。
空売り規制と売り禁の違いとは?
内容 | 空売り規制 | 売り禁(貸借停止) |
---|---|---|
発動条件 | 株価が前日比10%以上下落 | 売り長(空売りが過剰) |
制限内容 | 51単元以上の空売りが制限 | 信用売り・現引きが禁止 |
対象期間 | 翌営業日まで | 無期限/証券金融会社が解除するまで |
売り禁の方が厳しく、リスクが高い状態であることがわかります。
「売り禁に買いなし」の意味とは?
この格言は、売り禁になった銘柄を安易に買うのは危険という投資上の教訓です。
なぜなら、売り禁になるほど空売りが多い=仕手株化している可能性が高く、株価の急騰・急落に巻き込まれるリスクがあるからです。
さらに、「売り禁は金の玉」という逆の格言もあります。 これは、売り玉が新たに建てられないため、すでに売っているポジションが極めて有利になる(≒需給的に踏み上げリスクが増す)という意味です。
まとめ|売り禁銘柄に近づくときの心得
- 売り禁は空売り過多による強い取引制限
- 空売り規制と違い、売りも現引きも禁止されるため警戒が必要
- 仕手株や異常な急騰・急落時に多く発生する
- 「売り禁に買いなし」は、過熱感への冷静な対応を促す格言
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まとめ
売り禁とは、株式市場において空売りが過度に行われた結果、証券金融会社が規制を行う措置です。これにより、新規の売り注文と信用買い現引きが禁止されます。株の空売りや空売り規制のルールを理解することで、投資のリスク管理が一層重要となります。