【医師のNISA戦略】オルカンは、なぜ、分配金を出さないのか?その、たった1つの合理的な理由|2025年版

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オルカンの分配金についての話

新NISAで、オルカン(eMAXIS Slim 全世界株式)の積立を始めた先生。

証券口座の設定画面で、「分配金受取コース」と「分配金再投資コース」の選択肢を見て、迷った経験はありませんか?

しかし、実は、オルカンは、これまで一度も、分配金を出したことがありません。 それは、なぜでしょうか。

この記事では、オルカンが、あえて「分配金を出さない」という戦略を取る、その、たった一つの、しかし、我々長期投資家にとって、極めて合理的で、有利な理由を解説します。

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目次

【結論】なぜ、オルカンは分配金を出さないのか?

まず、結論から申し上げます。 オルカンが分配金を出さないのは、その公式な方針説明(目論見書)にある通り、

信託財産の、長期的な成長を、最優先するため

です。 投資信託の内部で得た、世界中の企業からの配当を、投資家に分配せず、そのまま、ファンド内で、自動的に、再投資に回しているのです。

「内部再投資」という、最強の自動複利エンジン

この「内部再投資」の仕組みは、非常にシンプルで、そして、強力です。

  1. オルカンが保有する、Appleや、トヨタといった、世界中の企業から、配当金が支払われます。
  2. その配当金は、一度、ファンドの中に、現金としてプールされます。
  3. そして、その資金が、ファンドマネージャーによって、自動的に、ファンドを構成する、新たな株式の購入に、充てられます。

我々が、何もしなくても、投資信託の内部で、資産が、勝手に、そして、効率的に、雪だるま式に増えていく。これが、「内部再投資」という、最強の自動複利エンジンの本質です。

【メリット】我々、長期投資家にとっての、2つの大きな利点

この「内部再投資」は、我々、現役世代の、長期投資家にとって、2つの、極めて大きなメリットをもたらします。

① 税効率の最大化(課税の繰り延べ)

もし、分配金として、一度、現金を受け取ってしまうと、NISA口座以外(特定口座など)では、そこに、約20%の税金がかかります。内部再投資は、この課税を、将来、我々が、その投資信託を、実際に売却するまで、完全に繰り延べる効果があります。

つまり、税金で引かれるはずだった分も、そのまま、運用に回すことができるため、長期的な複利効果が、より高くなるのです。

② 手間と、感情の排除

内部再投資は、この、手間と、感情の罠から、我々を、完全に、解放してくれます。これは、多忙な医師にとって、計り知れないメリットです。

分配金を受け取ると、「そのお金を、再度、投資に回す」という、我々自身の手間が発生します。そして、そこには、「つい、使ってしまう」「タイミングを計ってしまう」という、非合理な感情が入り込む、罠が、常に存在します。

まとめ:「分配金なし」は、欠点ではなく、最高の「機能」

eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)が、分配金を出さないこと。 それは、欠点などでは、断じてありません。

むしろ、それこそが、我々、現役世代の、長期投資家が、税効率と、複利効果を、最大限に享受し、そして、余計な手間や、感情に惑わされることなく、資産形成の王道を、歩み続けるために、設計された、最も合理的で、最も優れた「機能」なのです。

あわせて読みたい:より詳細な、投資戦略

よくある質問(FAQ)

Q1. 証券口座で「分配金再投資コース」を選んでおけば、結局、同じことではないのですか? A1. 似ていますが、厳密には異なります。「再投資コース」では、一度、税金が引かれた後(NISA口座を除く)の、目減りした分配金が、再投資されます。一方、「内部再投資」は、税金が引かれる前の、より大きな金額が、そのまま再投資されるため、長期的な複利効果が、より高くなります。

Q2. 将来、オルカンが、分配金を出すようになる可能性はありますか? A2. 可能性は低いと考えられます。このファンドの基本方針は、あくまで「信託財産の、長期的な成長」を最優先することであり、「分配金を出すこと」を目的としていないからです。方針が、根本的に変更されない限りは、このまま無分配が続くでしょう。

Q3. どうしても、分配金が欲しい場合は、どうすれば良いですか? A3. その場合は、QYLDのような、カバードコール戦略を用いた、高配当ETFなど、全く異なる、商品設計の金融商品を選ぶ必要があります。ただし、それらには、本記事で解説した「内部再投資」のメリットとは、正反対のデメリット(成長性の放棄、税効率の悪化など)が存在することを、理解しておく必要があります。

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