Tポイントで1株から投資できる、という手軽さで、多くの若手医師も利用したであろう「SBIネオモバイル証券」。
しかし、そのサービスは2024年1月に、SBI証券へと統合され、終了しました。ユーザーの多くが、面倒な資産移管手続きを強いられたことを、先生もご記憶かもしれません。
この「事件」は、単なる一企業のサービス終了ではありません。 それは、我々医師のような長期投資家が、自らの大切な資産を預ける金融機関を、いかに選ぶべきか、という、極めて重要な教訓を、私たちに教えてくれます。
ネオモバの誕生から、サービス終了(統合)まで
誕生(2019年): SBI証券とCCCマーケティング(当時)が共同で設立。「Tポイントで株が買える」「1株から投資できる(S株)」という、若者・投資初心者向けの、非常にキャッチーなサービスで人気を博しました。
統合・終了(2024年): 親会社であるSBIグループの経営戦略見直しにより、サービスを本家である「SBI証券」に統合する形で、その歴史に幕を閉じました。
【考察】この事例から学ぶ、証券会社選びにおける最重要の教訓
この一連の出来事から、私たちが学ぶべき、たった一つの、しかし最も重要な教訓。 それは、『プラットフォームの持続可能性』を、最優先で考慮する、ということです。
特定のポイントに特化している、新しい、ニッチなサービスは、確かに魅力的に映ります。しかし、それらは、親会社の経営方針の転換や、M&Aによって、ある日突然、サービス内容が変更されたり、終了したりする「プラットフォーム・リスク」を、常に内包しています。
我々多忙な医師が、貴重な時間を費やして、面倒な資産移管手続きに追われる。これは、最も避けたい事態です。
医師が選ぶべき「メイン証券口座」の3つの条件
では、この教訓に基づき、我々が長期的に、安心して資産を預けられる「メイン証券口座」が満たすべき、具体的な条件を提示します。それは、盤石な体制を持つ証券会社です。
- ① 圧倒的な総合力と、事業の安定性ネット証券の口座数・預かり資産でトップクラス(SBI証券、楽天証券など)であること。企業の体力は、サービスの継続性と、我々の資産の安全性に直結します。
- ② 主要な投資信託の、超低コストでの提供我々の資産形成のコア(中核)となる、オルカンやS&P500といった投資信託を、業界最低水準の信託報酬で提供していること。
- ③ 新NISAへの完全対応と、強力なポイント経済圏新しい制度にいち早く、そして完全に対応し、かつ、そのプラットフォーム内で完結する、強力なポイントサービス(Vポイント、楽天ポイントなど)を持っていること。
この3つの条件を満たす証券会社を「メイン」として選んでおけば、ネオモバのようなサービス終了のリスクは、極めて低いと言えるでしょう。
SBI証券口座の開設
まず、SBI証券の口座を開設する必要があります。SBI証券の公式ウェブサイトにアクセスし、新規口座開設の手続きを行ってください。
SBI証券でのメリットですが、
①移管手数料が無料
②単元未満株を扱っている
③買付手数料が無料
ハピタス経由のSBI証券口座開設キャンペーンが10000ptプレゼント中
まとめ:目先の「お得感」より、長期的な「安心感」を
ネオモバ証券は、多くの人に投資のきっかけを与えてくれた、素晴らしいサービスでした。 しかし、この事例は、私たちに教えてくれます。
金融機関選びは、目先の「お得感」や「手軽さ」だけで判断してはならない。 そのプラットフォームが、10年後、20年後も、我々の資産を守り続けてくれるか、という「持続可能性」と「信頼性」こそが、最も重要な判断基準なのだと。
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【参考資料】2023年当時の移管手続きの流れ
資産移管の申請手続き
SBI証券口座が開設されたら、資産移管の申請手続きを行います。SBI証券のマイページにログインし、資産移管の申請フォームを入力して提出してください。申請が承認されると、資産の移管が開始されます。

こちらはネオモバで行うステップです。
- カスタマーセンターに「特定口座内保管上場株式等移管依頼書」を請求する。手続きに関する書類が郵送されます。
※一般預りの場合は「口座振替依頼書」をご請求ください。 - 「案内書」を確認し、必要事項を記入する。
- 記入したお手続き書類に本人確認書類を同封し、郵送する。 ※郵送前に控えのコピーをとっておきます(返送されないので)
- 約1週間でSBIネオモバイル証券から移管先の証券会社へ株式が移管出庫されます。
詳しくはネオモバの株式の移管出庫をご覧下さい