【医師の当直メシ】検食だけでは不十分!パフォーマンスを維持する、戦略的「補食」術

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検食

当直医に提供される「検食」。 これを、病院からのサービス、つまり「夜ご飯」だと思っていませんか?

それは、大きな誤解です。

検食は、あくまで患者さんのための安全確認という「業務」であり、我々医師のパフォーマンスを維持するための食事ではありません。 この記事では、この「検食の罠」を正しく理解し、不足しがちな栄養を戦略的に補うことで、夜間のパフォーマンスを維持するための、具体的な補食術を解説します。

目次

【制度の理解】「検食」は食事ではなく、業務である

まず、検食の目的を正しく理解することが、全ての出発点です。 検食とは、患者さんに食事を提供する前に、その内容(味付け、温度、異物の有無など)に問題がないか、医師または管理栄養士が確認する、診療報酬にも関わる、重要な業務です。

これは、患者さんへの食事提供という医療行為の安全性を担保するための、我々の責務であり、決して「福利厚生」ではありません。

【問題分析】なぜ、検食だけではパフォーマンスが落ちるのか?

この「業務」を「食事」と誤解すると、我々のパフォーマンスは、2つの理由で確実に低下します。

① 絶対的なカロリー不足:検食は、入院患者さん(特に活動量の少ない高齢者など)の平均的な摂取量に合わせて提供されるため、一食あたり500kcal前後であることも珍しくありません。これは、成人男性医師の基礎代謝すら下回る可能性があり、エネルギー不足は必至です。病院によって差が大きいです

② 栄養バランスの偏り(高炭水化物・低タンパク質):患者さん向けの食事は、しばしばエネルギー量を確保するために、ご飯や麺類といった炭水化物中心の構成になりがちです。これは、我々の筋肉の分解を防ぎ、思考力を維持するために必要なタンパク質の不足と、食後の血糖値の乱高下による、強い眠気を招きます。

【実践プロトコル】コンビニで完成させる、最強の「補食」セット

この「検食の罠」を回避するための戦略は、「検食(主に炭水化物源)をベースに、高タンパク・低脂質・食物繊維を、コンビニ商品で追加する」というものです。

以下に、具体的な組み合わせ例(処方箋)を提示します。

処方箋①:王道のバランスセット

たんぱく質が摂れる鶏むね肉サラダ
  • 検食のご飯 + たんぱく質が摂れる鶏むね肉サラダ

【解説】 検食で炭水化物を、このサラダでタンパク質と野菜を補う、最もバランスの取れた王道セット。鶏胸肉は、高タンパク・低脂質の代表格です。

処方箋②:ヘルシー&満足セット

厚揚げとじゃこの和サラダ
  • 検食の汁物 + 厚揚げとじゃこの和サラダ

【解説】 厚揚げとじゃこで、植物性タンパク質とカルシウムを補給。和風の味付けが、検食の和食とも相性が良く、ヘルシーながら高い満足感を得られます。

処方箋③:良質な脂質も補給するセット

ローストアーモンド&アマニ粒入りバンバンジーサラダ
  • 検食の煮物 + ローストアーモンド&アマニ粒入りバンバンジーサラダ

【解説】 蒸し鶏でタンパク質を補いつつ、アーモンドやアマニ粒から、抗炎症作用も期待できる良質な脂質(オメガ3脂肪酸など)を摂取できる、考え抜かれた一品。

まとめ:検食を、賢くハックする

検食は、業務です。 しかし、その特性を正しく理解し、コンビニという、我々にとって最も身近な「補給基地」を賢く活用すれば、それは、当直中のパフォーマンスを維持するための、最高の土台にもなり得ます。

この戦略的補食術で、過酷な当直を、少しでも快適に乗り切ってください。

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