【医師の働き方改革】当直明けの“通常勤務”は、なぜ、許されるのか?その「法的抜け穴」と「医療安全」の、不都合な真実|2025年版

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日勤、当直、そして、そのまま、翌日の通常勤務へ──。

この、32時間以上に及ぶ、連続勤務。それは、我々、日本の医師にとって、半ば「当たり前」の、過酷な現実です。

しかし、一度、冷静に、自問してみませんか? 「睡眠不足で、朦朧とした意識のまま、患者の命に関わる、重要な判断を下すこと。それは、果たして、許されるべき行為なのだろうか」と。

この記事では、この、極めて危険な慣習が、なぜ、今も、まかり通っているのか、その、法的・文化的な、構造を、徹底的に、解剖します。

目次

【法的抜け穴】「宿日直許可」という、魔法の言葉

なぜ、32時間以上の、連続勤務が、法律上、可能になるのか。 その鍵は、「宿日直許可」という、制度にあります。

労働基準法では、当直(宿直)は、 「常態として、ほとんど労働をする必要のない勤務」 と、明確に、定義されています。つまり、「十分な睡眠が、確保される、見張りや、待機業務」です。

しかし、現実の、我々の「当直」は、どうでしょうか。 救急外来の対応、病棟患者の急変、緊急手術…。これらが、「ほとんど労働をする必要のない勤務」に、該当しないことは、現場に立つ、全ての医師が、知っています。

この、建前と、本音の、巨大な乖離(かいり)を、黙認し、労働を、労働ではない、と、すり替えてしまう。この「法的抜け穴」こそが、長時間労働を、合法化してしまっている、全ての元凶なのです。

睡眠不足の脳は、“酩酊状態”と同じである

では、この長時間労働が、我々のパフォーマンスに、何をもたらすのか。 科学的な、エビデンスは、明確です。

「24時間、覚醒し続けた人間の、認知機能と、判断速度は、血中アルコール濃度0.10%の、酩酊状態の人間と、同等、あるいは、それ以下になる」

これは、数多くの、研究によって、証明されている、医学的な事実です。 血中アルコール濃度0.10%は、日本の法律では、「酒酔い運転」に相当します。

我々は、もし、術者が、飲酒した状態で、手術室に現れたら、それを、絶対に、許さない。 では、なぜ、我々は、“酩酊した脳”と、同じ状態の、同僚や、自分自身が、患者の前に、立つことを、許容してしまっているのでしょうか?

【データの現実】そして、8割以上の医師が、この状態で、働き続けている

医師の当直の実態とは?1,649人の医師のアンケート回答結果によると、当直前後8割以上の医師が通常勤務をしているという実態があります。

医師の当直の実態、アンケート回答結果


当直前は95.4%とほとんどの場合で通常勤務となっており、当直後も82.5%で通常勤務となっています。このため、8割以上の勤務医は、通常勤務―当直―通常勤務という32時間以上連続での勤務を続けているということになります。

日常的に危険性をはらんでいるといえるデータになっています

まとめ:この「不都合な真実」から、目を背けてはならない

当直明けの、連続勤務。 それは、医師の、根性論や、自己犠牲の、美談などでは、断じて、ありません。

それは、

  • 法律の、建前を、利用した、労働搾取であり、
  • 科学的エビデンスに基づけば、極めて、危険な、医療行為であり、
  • そして、何よりも、患者の、安全を、脅かす、許されざる、リスクである。

この、不都合な真実から、我々、医療界は、そして、社会全体が、もう、目を背けては、ならないのです。

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