【医師の投資学】なぜ、プロでない限り、「イナゴ投資」で、勝つのは、難しいのか。その、構造的な、理由|2025年版

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物言う株主(アクティビスト)が、ある、割安株の、大量保有を、発表する。 そのニュースを見て、株価が、急騰する前に、飛び乗る。

この、通称「イナゴ投資」。 それは、一見すると、情報の流れを、巧みに利用した、賢い、投資戦略に、見えるかもしれません。

しかし、なぜ、プロでない限り、この戦略で、勝ち続けるのは、これほど、難しいのでしょうか。 この記事では、その、構造的な、理由を、近年、実際に起きた、象徴的な、事件を、ケーススタディとして、解剖します。

目次

なぜ、「イナゴ投資」は、これほど、人を、魅了するのか?

この戦略の、基本的な、ロジックは、非常に、シンプルで、魅力的です。

  1. アクティビストが、株式を、大量取得する。
  2. 経営陣に対し、自社株買いなどの、株主還元を、要求する。
  3. その期待感から、株価が、上昇する。
  4. 便乗した、個人投資家も、利益を得る。

この、一見、完璧に見える、勝利の方程式が、多くの、個人投資家を、惹きつけるのです。

なぜ、プロでなければ、勝つのが難しいのか?

しかし、この戦略には、個人投資家にとって、極めて、不利な、3つの、構造的な、欠陥が、存在します。

① タイミングの、リスク(いつ、梯子を、外されるか、分からない)アクティビストは、自らの、利益が、最大化する、最適な、タイミングで、静かに、そして、一気に、売り抜けます。その、正確な、タイミングを、我々、個人投資家が、知る術は、ありません。彼らが、去った後には、高値で、取り残された、我々がいるだけです。

② 失敗の、リスク(そもそも、要求が、通らない)アクティビストの、株主提案が、経営陣との、委任状争奪戦(プロキシーファイト)の末に、否決される、可能性も、常に、あります。その場合、期待は、失望に、変わり、株価は、暴落します。

③ 情報の、非対称性これが、最も、根本的な、問題です。アクティビストは、その企業の、財務状況や、経営陣の、性格まで、徹底的に、分析した上で、戦いを、挑んでいます。我々、個人投資家は、その、表面的な、ニュースだけを、見て、その、丁半博打に、参加しているに過ぎません。

コスモエネルギーの攻防に学ぶ、その、本質

この「構造的な、不利」を、最も、象徴的に、示したのが、2022年から2023年にかけて、繰り広げられた、「旧村上ファンド系 vs コスモエネルギーHD」の、攻防です。

結末と結果:しかし、この物語は、全く、予想外の、結末を、迎えます。

2023年末、岩谷産業という、第三者が、突如、旧村上ファンド側の、保有株を、全て、高値で、買い取り、筆頭株主となったのです。高値で、株式を、売却できた、旧村上ファンドと、コスモへの、経営介入の、足がかりを、得た、岩谷産業。彼らは、勝者です。では、梯子を、外されたのは、誰か。 それは、「自社株買い」という、単純な、シナリオだけを、信じ、高値で、株を、掴んだまま、取り残されてしまった、我々、個人投資家です。 これは、「タイミング」も、「最終的な、結末」も、我々、個人投資家には、到底、予測不可能である、という、動かぬ証拠です。

経過:旧村上ファンド側は、コスモ株を、20%超まで、買い進め、株主還元を、要求。一方、コスモ経営陣は、これを、拒否し、両者の、対立は、泥沼化しました。多くの「イナゴ投資家」は、この、綱引きの末の、自社株買いを、期待していました。

結論:我々は、そもそも、同じ、土俵には、いない

「イナゴ投資」は、プロの、格闘家(アクティビスト)が、戦う、リングの、すぐ、そばで、その、おこぼれを、狙う、観客のような、ものです。 リングの上と、下では、見えている、景色も、持っている、情報も、そして、許される、ルールも、全く、異なります。

我々、個人投資家が、本当に、戦うべき、場所は、その、特殊な、リングでは、ありません。 我々が、戦うべきは、「世界経済全体の、長期的な、成長」という、より、広く、そして、より、フェアな、土俵なのです。

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