外来での、立て続けの患者さんへの説明。 カンファレンスでの、長時間のディスカッション。そして、乾燥した院内環境…。
我々医師の仕事は、想像以上に「喉」を酷使し、そして「集中力」を消耗します。
デスクの横に置く、その一本のペットボトル。それを、何となく選んでいませんか? この記事では、飲料を、日々のパフォーマンスを最大化するための「戦略的ツール」と捉え、医師が直面する3つの典型的なシーン別に、最適な「飲み物の処方箋」を提案します。

【シーン①】外来・カンファレンス:喉の潤いと、持続的な集中力
このシーンでの目的は、「声の酷使から喉を守り、かつ、カフェインに頼らない、持続的な集中力を維持すること」です。
【医師の視点】 カフェインには優れた覚醒作用がありますが、利尿作用や、過剰摂取による不眠・動悸のリスクも伴います。日中の、特に話すことが多い場面でのベースとなる水分補給は、カフェインゼロのものが最も安全で合理的です。
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おーいお茶のカフェインレスタイプ。妊婦の方やカフェインが気になる方も安心して飲むことができます。
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マイボトルに、この粉末スティックと水を入れるだけで、いつでも淹れたてに近いお茶を、極めて低コストで楽しめます。経済合理性と、荷物を最小限にできる携帯性を両立した、非常に賢い選択肢です。緑茶、烏龍茶、ルイボスティーなど、その日の気分でフレーバーを変えられるのも、精神衛生上、良い効果があります。
【シーン②】当直・夜勤:戦略的なカフェイン管理と、心身のリフレッシュ
このシーンでの目的は、「必要な時にはカフェインで覚醒し、仮眠前にはリラックスする、という、戦略的なコンディション管理を行うこと」です。
処方箋C:こだわりのドリップバッグコーヒー

深夜の眠気覚ましが必要な時間帯に、質の高いコーヒーを飲む。これは、明確な目的を持った「カフェイン投与」です。味気ない自販機の甘いコーヒーではなく、「本当に美味しい」と感じる一杯を飲むという行為そのものが、最高の気分転換(メンタルリフレッシュ)になります。
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処方箋D:リラクゼーションドリンク「CHILL OUT」
仮眠前や、ストレスフルな対応の後には、こちらを選択します。GABAやL-テアニンの効果で、昂った交感神経を鎮静させ、休息の質を高めることが期待できます。カフェインを「アクセル」とするなら、こちらは「ブレーキ」。この戦略的な使い分けこそが、プロのコンディション管理です。
【重要】患者さんの前での、飲料の取り扱いマナー
我々が何を飲むかは、時に、患者さんからの信頼に影響を与えます。プロとして、最低限の配慮を心がけましょう。
- デスクの見えない位置に置く: 患者さんの診察中は、飲み物が直接視界に入らないよう、デスクの足元や、カルテ棚の裏などに置くのが基本です。
- ラベルレスボトルを選ぶ: 特定のブランドを主張しない、ラベルレスのボトルは、よりスマートで、プロフェッショナルな印象を与えます。
- 派手な色や、炭酸飲料は避ける: 真剣な話をしている最中に、医師がカラフルなジュースや、音の出る炭酸飲料を飲むのは、好ましいとは言えません。基本は、水かお茶が無難です。
まとめ:飲料は、コンディションを整える「最も手軽な医療」
傍らに置く、一本の飲み物。 それを、無意識に選ぶのか、それとも、自らの目的とコンディションに合わせて、戦略的に選択するのか。
その小さな差が、日々のパフォーマンスと、長期的なQOLを、確実に左右します。 飲料の選択もまた、我々医師が、自分自身に対して行う、最も手軽で、最も身近な「医療行為」なのです。
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注意点
患者さんの目は意識する必要があります。私の経験上飲料については、クレームがついたり病棟スタッフから注意されたりと幅広いです。病院のルールにもよりますが、ナースステーションや医師休憩室でのみ飲むことができるというのが一般的に思います。外来の場合は患者さんの診察の合間。デスクからは見えない位置におくなどの配慮はしておいた方が良いでしょう。