病院の主力として走り続ける、後期研修医(専攻医)の先生方。 多忙な毎日の中で、「このままでいいのだろうか?」と、ご自身のキャリアに漠然とした不安を感じていませんか?
「専門医は取るべき?」 「医局には入るべき?」 「正直、今の研修先を辞めたい…」
この記事では、そんなキャリアの岐路に立つ先生方へ、羅針盤となる情報と考え方をお届けします。新専門医制度の基本から、多様化するキャリアパス、そして悩んだ時の具体的な対処法まで、順を追って解説します。
✅ まずは知るべき「新専門医制度」のリアル
キャリアを考える上で、現在の制度を理解することは不可欠です。
後期研修(専門研修)とは?
初期研修後、専門医の資格取得を目指して各診療科の研修プログラムに参加する期間のことです。

新専門医制度のポイント
2018年度からスタートした、日本専門医機構が認定を行う制度です。
- 専門医の質の標準化: 全国の研修プログラムの質を一定に保ちます。
- サブスペシャリティの前提: 例えば「循環器専門医」などを目指すには、まず基本領域である「内科専門医」の取得が必須、という流れです。
「シーリング制度」とは?
医師の地域偏在・診療科偏在を是正するため、都市部など特定の地域・診療科の採用数に上限(シーリング)を設ける制度です。 これにより、「東京のプログラムに応募したのに、研修期間の半分は地方の関連病院で勤務する」といったケースが生まれています。医局の人事異動と似ていますが、自分のキャリアプランに影響する可能性があるので、プログラム応募時には注意が必要です。
🤔キャリアの分岐点「医局」に属するメリット・デメリット
後期研修からのキャリアを考える上で、最も大きな選択の一つが「医局に属するかどうか」です。
メリット | デメリット |
---|---|
✅ 学位・専門医の取得がスムーズ | ❌ 人事による転勤(行き先は選べない) |
✅ 研究や留学のチャンスが多い | ❌ 独自の人間関係・派閥 |
✅ トラブル時に守ってもらえる | ❌ 大学病院の給与水準と激務 |
✅ 豊富な人脈ができる | ❌ 医局の方針にキャリアが縛られる |
医局には安定とチャンスがある一方、自由度が低い側面もあります。ご自身の価値観に合うかどうかが重要です。 → 参考記事: 医局のやめかた
🧭多様化するキャリアパス|あなたの道はどれ?
専門医取得は王道ですが、道は一つではありません。
1.王道ルートを進む
初期研修 → 後期研修 → 専門医取得 → サブスペ取得・留学など 多くの医師が歩む、最も安定したキャリアパスです。専門医資格は、転職やバイト探しにおいても有利に働きます。迷ったら、まず専門医取得を目指すのが無難な選択と言えるでしょう。
2.専門医を取らないルート
後期研修は法律上の義務ではありません。専門医が不要と考えれば、後期研修を受けずに別の道(美容医療、フリーランスなど)に進むことも可能です。 ただし、主治医としての経験を積む重要な時期をスキップすることになり、将来の選択肢が狭まる可能性は考慮すべきです。
3.その他のルート
近年は、独自のキャリアを築く医師も増えています。
- 開業・起業: 自身のクリニックや医療系ビジネスを立ち上げる。
- 海外で活躍: 日本の医師免許を活かして海外で臨床や研究を行う。
- フリーランス: 複数の医療機関でスポットや定期非常勤として働く。
💊「もう辞めたい…」と思った時の処方箋
研修が辛い、今の環境が合わないと感じるのは、決して珍しいことではありません。感情的に動く前に、一度立ち止まって以下のステップを試してみてください。
- 一人で抱え込まない: まずは信頼できる同僚や先輩、指導医に相談しましょう。医局に属していれば、医局長や教授が力になってくれることも。客観的な意見を聞くだけでも、道が開けることがあります。
- クールダウン期間を設ける: 「辞める」と決断する前に、有給休暇を使ったり、仕事量を調整してもらったりして、心と体を休ませる時間を作りましょう。
- 情報収集から始める: 辞めた後のキャリアを具体的にイメージするために、転職エージェントに無料登録して相談してみるのがおすすめです。市場の動向や、あなたに合う求人の可能性を知るだけでも、視野が大きく広がります。
転職は半年~1年がかりのプロジェクトです。 焦らず、まずは情報収集という形で、次のキャリアへの準備を建設的に進めましょう。 おすすめ転職エージェント:Dr.アルなび 民間医局
💰キャリアを考える時間を「ポイ活」と「バイト」で賢く作る
後期研修医の平均年収は650~850万円程ですが、多忙さに見合っているとは言えないかもしれません。 経済的な余裕は、冷静なキャリア判断に繋がります。
寝当直バイト: 体への負担が少なく、効率的に収入を増やせます。 → 寝当直バイトについて
ポイ活: スキマ時間で年間30万円程度の副収入も可能です。 → 医師のポイ活で年間30万程度稼ぐ