企業の、四半期決算。 それは、我々、個別株、投資家にとって、天国と、地獄を、分ける、審判の日です。
決算を、またぐ、という行為、すなわち「決算ギャンブル」は、一夜にして、資産を、数十パーセント、増やす、可能性もあれば、その、逆も、また、然りです。
この記事では、2022年に、実際に起きた、大平洋金属の、ストップ安、という、悲劇的な「症例」を、基に、この、決算ギャンブルに、潜む、本質的な、リスクを、解剖します。
大平洋金属、突然の、ストップ安(2022年5月11日)
前期は、ニッケル市況の高騰を背景に、大幅な黒字化を達成しており、市場の期待は、高まっていた。この、過剰な、期待との、巨大なギャップが、ネガティブ・サプライズとなり、翌日の、パニック的な、売りを、誘発した。
決算発表翌日、売りが殺到し、700円安の、ストップ安。
2022年5月10日の、取引終了後に、23年3月期の、業績予想を発表。
その内容は、営業利益が、前期比81%減益の、9億2500万円、という、極めて、ネガティブなものであった。
同時に、配当も、前期の175円から、50円への、大幅な減配を発表。
なぜ、この「突然死」は、起きたのか?3つの、リスク因子
この、悲劇的な「症例」の、背景には、3つの、根本的な、リスク因子が、存在します。
① シクリカル銘柄の、本質的な、リスク:そもそも、この企業の、業績は、ニッケルという、極めて、ボラティリティの、高い、市況商品(コモディティ)の、価格に、完全に、依存していました。これは、我々が、コントロール不可能な、外部要因に、自らの資産を、委ねる、という、極めて、危険な、状態です。
② 情報の、非対称性:経営陣は、この、壊滅的な、業績予想を、発表の、数週間前から、知っていたはずです。しかし、我々、個人投資家は、それを、知る術がない。この、圧倒的な、情報の、非対称性が、この、ギャンブルを、極めて、不公平な、ものにしているのです。
③ 期待と、現実の、乖離:市場は、前期の、好調な、業績を、基に、今期も、同様の、成長を、期待していました。この、過剰な、期待と、発表された、現実との、巨大な、ギャップこそが、失望売りを、加速させ、ストップ安という、最悪の、事態を、招いたのです。
シクリカル銘柄には市場サイクルがあると言われており、タイミングを間違えると大きな損失につながる可能性があります
我々、多忙な、医師は、このリスクと、どう、向き合うべきか?
この、極めて、ハイリスクな、イベントに対し、我々が、取るべき、合理的な、行動指針です。
処方箋①:そもそも、「決算ギャンブル」には、参加しない。
これが、最も、シンプルで、安全な、リスク管理術です。決算発表の、数日前に、一旦、ポジションを、手仕舞い、その、結果を、冷静に、確認してから、再び、エントリーするかどうかを、判断する。
処方箋②:ポジションサイズを、極限まで、小さくする。
もし、どうしても、この、ギャンブルに、参加したいのであれば、それは、ポートフォリオの、ごく、一部の、たとえ、ゼロになっても、許容できる、資金の範囲内で、行うべきです。
処方箋③:インデックス投資に、徹する。
そもそも、個別企業の、決算に、一喜一憂する、という、ストレスから、完全に、解放される、という、選択肢。S&P500や、オルカンに、投資していれば、たとえ、一つの、企業が、破綻したとしても、ポートフォリオ全体への、影響は、ごく、僅かです。

まとめ:我々は、ギャンブラーではなく、投資家であるべきだ
「決算跨ぎ」は、時に、大きな、利益を、もたらすかもしれません。 しかし、その、本質は、情報の、非対称性が、存在する、極めて、不利な、「ギャンブル」です。
我々、多忙な、医師が、目指すべきは、短期的な、ギャンブルの、勝利者では、ありません。 長期的な、視点で、合理的な、リスクを取り、着実に、資産を、築いていく、「投資家」であるべきなのです。