【過去事例】メドピア株が暴落した2022年決算とは?MBO価格の妥当性を考える材料に

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※この記事は2022年9月発表の決算下方修正を扱っています。現在進行中のMBO(2024年)に関連する背景情報として再掲載しています。

あらためて決算跨ぎの怖さを。

目次

決算速報(2022年9月):メドピアが大幅減益を発表

2022年9月期第3四半期決算において、メドピア(6095)は通期経常利益予想を従来の25.2億円→10.5億円へと▲58.3%下方修正しました。これにより、株価はストップ安(前日比 -23.82%)を記録。

主な数値変化:

  • 第3四半期累計(21年10月〜22年6月):9.4億円(前年同期比▲32.4%)
  • 通期予想:10.5億円(前年実績:18.1億円)→▲42.1%の減益見通し
  • 4-6月期(単体):0.5億円(前年同期比▲79.5%)
  • 売上営業利益率:15.5% → 2.0%

利益減の主因は「先行投資」だが、市場の評価は厳しく

決算資料では、人材採用を中心とした先行投資による利益圧迫が説明されていました。

中長期の成長を狙った戦略ではあるものの、短期的に利益が急減したことで、成長株としての評価が揺らぎ、株価が大幅下落する結果となりました。

他社への波及:医療ITセクターも連れ安

当日はメドピアだけでなく、同業種である以下の銘柄も一時下落しています。

銘柄名状況(2022年当時)
エムスリー(2413)一時的な連れ安、業績安定感で持ち直し
ケアネット(2150)上期経常8%増益、直近四半期も23%増益で堅調評価
MDV(Medical Data Vision)同業として警戒されたが、構造が異なるため下落は限定的

市場の懸念点:利益体質の脆さと競争激化

当時の反応を見ると、以下のような懸念が投資家の中に強くありました。

  • コロナ特需の剥落後、成長維持できるのか?
  • 採用・開発投資の回収はいつ?
  • 医師プラットフォーム事業の収益性が持続するか?

**ケアネットやエムスリーとの“喰い合い”**が表面化する中、差別化の難しさも株価下落の背景にありました。

この事例がMBO価格評価の参考になる理由

2024年に発表されたMBO案(1株700円)は、直近の株価よりプレミアムが低く、「安すぎるのでは?」との声も出ています
その判断材料として、以下の点で2022年のこの決算は参考になります。

比較軸2022年当時2024年現在(MBO提案時)
EPS成長利益急減でマイナス回復傾向あり(ただし営業CF鈍い)
株価位置一時1599円→急落700円水準でのTOB提示
市場評価成長株から脱落再成長段階にあるが過去ほどの期待感は薄い
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この記事を書いた人

こんにちは、Dr. Harv です。専門医としてのキャリアを積む一方で、資産運用、副業、ポイ活にも取り組んでいます。
このブログ「dr-harv.com」では、日々の日常、投資の知見、趣味など幅広いトピックを扱っています。より良い未来につながることをコンセプトにしています。読者の皆様にとって何か役立つ情報を提供できれば幸甚です。

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