Linuxをインストールして、新しいPCライフを楽しもうと思った矢先、「あれ、音が出ない…」。
この突然の静寂は、多くのLinux初心者が経験する、最初の大きな壁です。しかし、ご安心ください。多くの場合、原因は非常にシンプルな設定ミスです。
この記事では、誰でもできる簡単なチェックから、少し専門的なALSAミキサーの設定まで、音が出ない問題を解決するための手順を、「診断プロトコル」として分かりやすくナビゲートします。
基本的な確認
難しい設定をいじる前に、まず、最もよくある、そして最も簡単な原因から潰していきましょう。驚くほど多くの問題が、この基本的な確認だけで解決します。
① システム音量はミュートになっていませんか?画面の右上や右下にあるスピーカーアイコンを確認し、ミュート(消音)になっていないか、音量がゼロになっていないかチェックします。
③ 物理的な接続は大丈夫ですか?意外な盲点ですが、ヘッドフォンジャックに、イヤホンのプラグや変換アダプタの先が折れて残っていたりしませんか?物理的に何かが刺さっていると、スピーカーから音が出ない設定になることがあります。
② 出力デバイスは正しく選択されていますか?PCが、音を出す先を間違えている可能性があります。「設定」→「サウンド」→「出力」と進み、出力デバイスとして「内蔵スピーカー」が正しく選択されているか確認します。
OSレベルの診断(簡易的な検査)
基本的な確認で解決しない場合、OSの設定からもう少し詳しく見ていきます。
「設定」→「サウンド」の画面を開き、「テスト」ボタンをクリックしてみてください。左右のスピーカーからテストサウンドが再生されるか確認します。
ここで、画面上の音量バーは動いているのに、全く音が聞こえない場合、ハードウェアの問題か、より深い層での設定、つまり次のALSAミキサーの問題である可能性が示唆されます。
ALSAミキサーで音量設定を確認する
上記の基本的なチェックで解決しない場合、Linuxのサウンドシステムの根幹である「ALSA(Advanced Linux Sound Architecture)」の調整が必要かもしれません。ここからは少し専門的になりますが、手順通りに進めれば大丈夫です。特にLet’snoteシリーズでは、この設定で解決するケースが多く報告されています。
ALSAミキサーを起動する
ターミナルを開いて以下のコマンドを入力し、Enterキーを押します
$ alsamixer
パスワードを聞かれるので,パスワードを入力すると,ALSAが立ち上がります。
右側に操作方法が書かれています。
サウンドカードを選択する
F6を押し,サウンドカードを選択します。
リストからHDA Intel PCH” を選択します。
ヘッドフォンの音量を調整する
ALSAミキサー画面で、左から2番目に「Headphone」が表示されているはずです。この音量が0になっている場合、スピーカーから音が出ない可能性があります。↑
キーを使って「Headphone」の音量を上げてみましょう。これでスピーカーから音が出るようになるはずです。
設定がリセットされる問題を解決する
再起動後に設定が元に戻ってしまう問題も発生します。この問題を解決するために、以下の手順で設定を永続化しましょう。
ターミナルで以下のコマンドを実行して、現在のALSAの設定を保存します。$ alsactl --file ~/.config/asound.state store
設定を自動で復元する
続いて、GNOMEのセッションプロパティを使用して、起動時に設定を自動で復元するようにします。以下のコマンドを入力してください。$ gnome-session-properties
表示されたウィンドウで「追加」をクリックし、次の情報を入力します。
名前: ALSA設定の復元
コマンド: alsactl --file ~/.config/asound.state restore
説明: 音量設定を自動的に復元します。
設定を確認して再起動する
上記の手順を完了したら、再起動して設定が保持されているか確認しましょう。
まとめ
Let’snoteでLinuxを使用中に音が出ない問題は、ALSAミキサーの設定を調整することで解決できます。また、再起動後も設定が保持されるようにするためには、コマンドを使用して設定を保存し、自動で復元する設定を追加することが重要です。
【最終手段】USBサウンドアダプタ
ALSA設定でもうまくいかない場合、USBサウンドアダプタを使うことで簡単に解決できるケースもあります。
以下のような安価なUSBオーディオ変換デバイスも検討してみましょう:
Let’snoteなどのモバイルノートを中古で再活用する場合は、Linuxとの相性もチェックしておくと安心です。
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