日経225オプションの証拠金計算とリスク管理について

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過去に証拠金問題に直面した経験から、日経225オプションの証拠金計算と管理について調査しました。この記事では、証拠金計算の基本情報や管理の重要性、リスク対策としてのオプション戦略について解説していきます。

目次

証拠金計算に関する基本情報

買い玉と売り玉の違いと証拠金の関係

オプション取引では、買い玉と売り玉の違いが証拠金に影響します。買い玉の場合、オプションの購入価格が証拠金として拘束されるだけですが、売り玉の場合はSPAN証拠金計算が適用されます。

先物・オプション取引の証拠金計算には、CME(シカゴ・マーカンタイル取引所)が開発したSPAN®が多くの場合採用されています。

オプション買い玉だけのスプレッド、裸買い、ロンストなどはオプション買付代金のみの証拠金が拘束されますので、これは問題ありません。

オプション取引のご注文には、限月、権利行使価格、コール・プットの別により、SPANに基づく証拠金計算方法で算出された証拠金、または買付時のプレミアム代金が必要となります。 原則、当社では以下の方法で計算しております。

売建時(必要証拠金)・・・当社SPAN証拠金×100%(掛け目)-当社Net Option Value

買建時(プレミアム代金)・・・概算受渡代金(プレミアム価格×枚数×取引単位+手数料・消費税)

なお、オプション売建時の必要証拠金は変動しますが、先物・オプション取引サイトの「分析ツール」>「SPANシミュレーター」を利用して計算ができます。

SBI証券 オプション取引の新規建て時に必要な証拠金は?より

買い玉のみの建玉は証拠金の心配はありません。

売り玉を持つ際にSPANの証拠金計算が適用されます。

証拠金計算の概要

SPAN証拠金は、リスクベースの証拠金計算方法で、取引のポートフォリオ全体に対する損失を考慮した証拠金額を算出します。SPANでは、日経平均株価の予想変動幅とボラティリティの予想変動幅をもとに、16通りのシナリオを作成し、最大損失額を証拠金として求めます。

売建時に証拠金が問題となります。SPAN証拠金と、Netoption Valueが証拠金に大きく影響します。

売りオプションの場合には、注文分のNet Option Valueは上記計算式に含まれないので、約定後に必要委託証拠金が受入証拠金よりも多くなり、余力(受入証拠金-必要委託証拠金-拘束金額)がマイナスとなる可能性があります

理論値を使用している関係上、既に先物や売りオプションの建玉があるケースでは、買いオプションが約定後から当日の値洗い処理までの間、必要証拠金が増加する場合があります。

私は値洗い処理までの間に必要証拠金が増加することを何度も経験しています。引け間際に売り玉をいれると要注意ですね。

SPANシナリオ

日経平均の予想変動幅とボラティリティの予想変動幅で16通りのシナリオが作られ、そのうち想定される最大損失となる金額を計算します。

シナリオは日経平均が不変~3倍上下にボラティリティの上昇、下降が組み合わさっています。

SPANは、明日起こりうる最大の損失額を証拠金とするという考えのようです。

結局のところ、証拠金ですが、売り玉を持っているときに先物が逆行してIVが上がってしまうときがワーストシナリオとなります。

これがSPANのリスクとなります。シナリオに適用する予想変動幅(プライススキャンレンジ)には日経VIを使用し、

ボラティリティの予想変動幅(ボラティリティスキャンレンジ)にはATM前後のIVを使用します。

JPXサイトのプライススキャンレンジ、ボラティリティスキャンレンジについて

なので、先物が暴落、IVが急騰する(通常両方同時におきます)とプライススキャンレンジ、ボラティリティスキャンレンジ共に上がります

証拠金が跳ね上がるということを経験される方も多いと思います。

大引けまでの、日経平均、オプションIVの変化で変動します(私が過去何度も喰らったのはそういうことです)

まとめると、先物が暴落すること、IVが跳ね上がることで売り玉の証拠金は急速に増加する可能性があります

オプションの売り玉を増やすと危ないとよく聞きますが、証拠金管理の観点からも売り玉が多いとリスクになります。

証拠金管理の重要性

証拠金管理は、オプション取引においてリスクを最小限に抑えるために必要なプロセスです。証拠金の増加や減少が取引戦略やリスク管理に影響を与えるため、適切な証拠金管理が求められます。証拠金が足りないとポジションの組み替えができませんので要注意です。

オプション戦略とリスク対策

証拠金トラブルや証拠金を減らす対策として、売り玉を持つ際に買い玉を組み合わせることが重要です。例えば、売り玉の数を制限することや、買い玉を組み合わせることで証拠金の増加を抑えることが可能です。シミュレートしてみると良いと思います。

SPANパラメータの臨時見直し制度

プライススキャンレンジに対して大きく変動すると、SPANパラメータの見直しが起こることがあります。暴落時など、これのせいで証拠金がさらに上がることがあります。

緊急証拠金ルールへの対応

金融ショック時など緊急時に証券会社がSPANの掛け目をつり上げることがあります。

これは、市場の変動が激しい場合や、暴落時に証拠金の増加が予想されるためです。

結論として、大暴落時にオプションの売り玉をもっていると思わぬ証拠金トラブルに巻き込まれます。

具体的には、IVの上昇とSPAN掛け目の緊急つり上げにより証拠金が2倍以上になることがあります。IVは青天井ですので、売り玉1枚当たり500万または1000万程度想定していないと追証にかかる可能性もでてきます。

そのため、なんとかショック時に複数枚の売り玉を持っているとポジションの維持ができずに追証になってしまいます。

この辺りは証券会社で変わるので注意が必要ですが、過去の例からは実際におこること(さらに事前予告無しのパターンもあり)なので知っておく必要があります。

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まとめ

日経225オプションの証拠金計算と管理は、リスクを最小限に抑えるために重要です。適切な証拠金管理を心がけましょう。

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この記事を書いた人

ボラティリティトレードを意識してオプショントレーディングのエッジを追求していきたいと研究の日々です。よろしくお願い申し上げます。

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