新型コロナウイルス

インフルエンザワクチンと新型コロナウイルスワクチンの同時接種は可能

厚生労働省から案内がありますが、インフルエンザワクチンと新型コロナウイルスワクチンの同時接種は可能です

ただし、インフルエンザワクチン以外のワクチンは、新型コロナワクチンと同時に接種できません。互いに、片方のワクチンを受けてから2週間後に接種できます。

なお、創傷時の破傷風トキソイド等、緊急性を要するものに関しては、例外として2週間を空けずに接種することが可能です。

同時接種を行う場合は、

新型コロナウイルスワクチンを接種し経過観察を経た後、インフルエンザワクチンを接種します。リンク東京都福祉保健局

新型コロナワクチンとインフルエンザワクチンとの同時接種については、単独で接種した場合と比較して、有効性及び安全性が劣らないとの報告があること等を踏まえ、令和4年7月22日開催の審議会において議論された結果、実施が可能となりました。

厚生労働省 新型コロナワクチンとそれ以外のワクチンは、同時に接種することはできますか。

(参考資料)
新型コロナワクチンとインフルエンザワクチンの同時接種の有効性・安全性(第33回 厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会資料より抜粋)

もう少し資料をみながらポイントを確認します

  • 新型コロナワクチンに関しては、これまで使用実績がないことから異なるワクチン(インフルエンザワクチン以外)との接種間隔は13日以上の間隔をおいている
  • 米国や英国などの一部の国は接種間隔の緩和を行っている。WHO、カナダ、ドイツなどは14日以上の間隔をあけている

同時接種の有効性について

同時接種の有効性については免疫の干渉によって、どちらかのワクチンの効果を強くしすぎたり、弱めたりしないかという懸念が議論されます。

せっかくワクチンを打ったのに、効果が無いのでは何をしているかわかりませんもんね。

新型コロナワクチン2回目接種において、ファイザー社又はアストラゼネカ社ワクチン単独接種と比べ、インフルエンザワクチンとの同時接種では、新型コロナウイルス抗スパイクIgG抗体価は有意差がなかった。さらにファイザー社ワクチンとの同時接種においてインフルエンザの一部の株に対するHI抗体価の上昇が見られた。

Lancet. 2021;398(10318):2277-2287.
(参考資料)
新型コロナワクチンとインフルエンザワクチンの同時接種の有効性・安全性(第33回 厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会資料より抜粋)

この報告ではコロナウイルスの効果は変わらず認められて、ファイザーのワクチンではインフルエンザワクチンの効果が少し上がったようです。

他の報告では、

モデルナ社ワクチン追加接種において、インフルエンザワクチン単独接種又はモデルナ社ワクチン単独接種と比べて、

インフルエンザワクチンとの同時接種では、インフルエンザHI抗体価、新型コロナウイルス抗スパイクIgG抗体価共

に低下はなく、免疫干渉はないと報告されている。

Lancet Respir Med. 2022;10(4):392-402.
(参考資料)
新型コロナワクチンとインフルエンザワクチンの同時接種の有効性・安全性(第33回 厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会資料より抜粋)

同時接種でもそれぞれ効果は変わんないという報告です。接種後22日目における抗体価が同じだから変わんないということで良いのかどうかは正直わかんないところですが。

同時接種の安全性

mRNAワクチン(ファイザー、モデルナ)の追加接種とインフルエンザワクチンとの同時接種後7日間の全身反応の調整オッズ比は、

mRNAワクチン追加接種の単独接種と比較し、ファイザー社ワクチンとの同時接種で1.08、モデルナ社ワクチンとの同時接種で1.11であったと報告されている。

JAMA Netw Open. 2022;5(7):e2222241.

データをみるとファイザーもモデルナも全身性の副反応は1割ぐらい増える。Medical careを必要とするものは増えない。

まとめ

インフルエンザワクチンと新型コロナウイルスワクチンは同時接種は可能です。他のワクチンは今のところ間隔を空けます。

同時接種では副反応が若干増えますので、副反応が不安だったり前回の反応が強烈だった方は同時接種は控えておいた方が良いでしょう。

なお、このブログはDr.Harvの個人的な見解です。必ず最新の情報をUpdateしてから判断されますようお願い申し上げます。


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