内科専門医

irAEで再度確認された内分泌の重要性

 私は糖尿病も内分泌も両方専門なのですが、

内分泌は終わった(既に多くの疾患に対して治療法がほとんど確立している)という主旨のことをずいぶん前に言われたことがあります。

今日は、内分泌は終わっていないという話です。

最近のAIの進歩などで、データ分析がメインの我々は仕事減りそうだなあと危惧しています。私自身は、まず真っ先に仕事が無くなるのは我々かなと感じています。

そんな折、抗腫瘍効果から広く使用されている免疫チェックポイント阻害薬が、その副作用として一定の確率で内分泌障害が発症することが明らかとなってきました。

免疫チェックポイント阻害薬の副作用|内分泌障害

免疫チェックポイント阻害薬で生じる内分泌障害

下垂体機能低下症、副腎皮質機能低下症、甲状腺機能異常症、副甲状腺機能低下症、1型糖尿病

免疫チェックポイント阻害薬による内分泌障害について(日本内分泌学会)

 理由はリンパ球の活性化が正常内分泌組織に影響するというものなのですが、結果として内分泌障害が一定の確率(5-10%程度)で生じることとなりました。

新規治療の副作用という形で、改めて内分泌の重要性が高まったわけですが、治療というものは副作用も常にあるわけなのでこのような形での出番もあるのだなと感じました。

というわけで、私が思うに内分泌はまだまだ先はあるだろうなと思います。

-内科専門医